会津慶山焼・季節の器のご提案
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ここは、2017年09月の記録です。

慶山焼へようこそ
9月 * 二つの壺が完成しました *  
窯積み

梅雨時につくられた二つの壺が、幾多の工程を経て 窯から出てまいりました。
「掻き落とし」「象嵌」による装飾法、粉引・土灰の対照的な釉薬。二つの壺で陰と陽を表現しております。
心なしかぞれぞれに秋の景色が現れたようです。

掻き落とし
ひらめ彫り込み中

魚紋扁壺 -ぎょもんへんこ- 】

扁壺とは胴が扁平(へんぺい)に潰された形の壺をいいます。もともと酒壺としての道具が、形の面白さから壺に模られようになりました。装飾も遊び心が込められ、今回の扁壺は掻き落としによる魚紋。鮃(ヒラメ)に青海波文様、岩を図案化した幾何学の文様の組み合わせで めでたさを表現しています。 滑稽な鮃の表情が扁壺にとても馴染んでいます。 粉引の発色は窯の中で緋色になり(御本手 -ごほんで-) 秋らしい装いとなりました。
季節の器のご提案・7月* 涼やかに、線彫りの器 *
にて制作風景を公開いたしております。

扁壷の完成
象嵌
ひとやすみ

象嵌魚紋壺 -ぞうがんぎょもんつぼ- 】

こちらは象嵌の丸壷。 やきものの象嵌は、彫り込んだ溝に白泥土を埋め込みその上から釉薬を施します。「一焼き、二土、三細工」といわれうように、窯から出るまでわからない、完成した姿を想像しながらの制作。今回は白泥の白と赤絵具を練りんだ土の二色づかいで変化をつけました。また丸い壺の中を回遊しそうな愛嬌ある鮃の表情。土灰釉の深みある発色が秋らしい趣を添えました。
季節の器のご提案・6月* 梅雨時の器 *
にて制作風景を公開いたしております。

象嵌壺の完成