4月 * 花見宴の器 *
【 片口・ぐい吞 】 片口とは酒樽から お酒を移すための道具。 この趣ある形から 今では器としても使われるようになりました。 中身の量も一目でわかるので 手酌しやすく、 細い口からお酒が注がれるゆったりした様子、 まさしく用と美を兼ね備えた酒器です。 また 土質のキメが粗くごつごつした土肌は 使い込むほどに滑らかに変化するので、 楽しみながら長い付き合いになりそうです。
【 赤絵高台鉢 】 土井晩翠 作詞、 荒城の月 「春高楼の花の宴 めぐる盃(さかずき)影さして」 この歌詞は鶴ヶ城がモデルになっているともいわれています。 鶴ヶ城の城郭に埋まる千本の桜の華やかな佇まいの中に 時代のもの悲しさが見え隠れする会津の桜、 酔いしれて、歌の世界へと誘います。 桜に託された想いを 赤絵の盃に映し、つかの間の歴史散歩も いとおかし。
【 吹墨コーヒーカップ 】 春風に舞う桜を纏ったカップと ぼんぼりのような丸みのあるソーサーです。 大河ドラマ「八重の桜」の放映に感謝し、 この温かな気持ちを形に表したいと、試行錯誤のすえ 赤呉須と粉引による釉薬がうまれました。 コーヒーブレイクが味わい深いひとときとなりますように。